ローリングシャッター現象とは?
ローリングシャッター(Rolling Shutter)現象は動画を撮影する際に、カメラが被写体の画像をスキャンする速度よりも被写体が速く動いている時に発生します。
ローリングシャッター現象が起こると、被写体が歪んで映ってしまいますので、動きの速い被写体を撮影する際には対策が必要になってきます。
実際にローリングシャッター現象が起こっている映像をご紹介しますので、下の動画でご覧ください。
なぜ起こるのか?
ローリングシャッター現象が起こる原因について知るために、まずはカメラの構造について理解を深めましょう。
カメラにはCMOS(Complimentary Metal Oxide Semiconductor)センサーというものが搭載されており、このセンサーが被写体をキャッチしてスキャンします。
CMOSセンサーは、上から下へ線が降りていく形でスキャンします。
文章ではわかりにくいかと思いますが、プリンターをイメージ頂けるとわかりやすいかと思います。
プリンターで書類をスキャンする時、上から下や、右から左にかけて線が動きますよね。
その線が書類の像を読み取り、記録することができます。
CMOSセンサーも同じ仕組みです。
ここで重要なのが、CMOSセンサーは上から下まで読み取るのに構造上どうしてもラグが生じてしまうというところです。
CMOSセンサーが被写体の像を読み取る時、
線が追い付かない速さで被写体が動いていると、そもそも像を読み取ることができません。
そして被写体を読み取れないままどんどんズレが広がり、被写体が歪んだり、動きが遅く見える現象が発生するのです。
下記動画は現象について実験を以って解説しているので、わかりやすいです。(英語ですが。。)
現象について何となくご理解頂けたでしょうか。
実際は下記ポイントだけ理解しておけば充分だと思います。
ローリングシャッター現象とは
- 被写体が歪んで映る現象
- 被写体の動きが速すぎてCMOSセンサーのスキャンが追いつかないために起こる
ではどのようにして対策が可能なのでしょうか。
ローリングシャッター現象を軽減できる変数についてご紹介します。
対策①:動きの速い被写体は遠くから撮る
動きの速い被写体がカメラから近ければ近いほど、ローリングシャッター現象は発生しやすくなります。
例えばスポーツカーの走っているところを動画で撮りたい場合、道路の脇に構えて自分の目の前を通過する瞬間を動画を収めようとしても、ローリングシャッター現象によって歪んで映るリスクが高いです。
その場合の最適解としては、望遠レンズを購入して少し距離を置いた地点から撮影するのが良いでしょう。
200mm程度の望遠レンズがあると安心ですね。
このように被写体の動きとカメラの位置関係・距離関係については、事前に計算しておきましょう。
対策②:フレームレートを上げて撮る
1秒当たりのコマ数を表す数値として「fps(frames per second)」というものを設定可能なのですが、その数値が低ければ上げておくことでローリングシャッターを軽減できます。
ただし、fpsは数値が上がるにつれて画質が悪くなる上、数値によっては対応していないメディア機器もあったりするので注意が必要です。
一般的に60fpsまでが上限である場合が多く、それ以上はゲーム用に作られた高価なディスプレイなど、一部のスペックの高い機器に限られてきます。
デフォルトは60fpsで撮影するのが無難でしょう。
まとめ
さて、ここまでローリングシャッター現象について解説しました。
カメラの構造上どうしても起こってしまいやすい現象なので、被写体が速い動きをしている時(電車やスポーツカーなどは特に)、その点注意して撮影しましょう。
フォトオタクでは、動画の撮影のオススメのレンズや、個人のクリエイターが動画制作に必須のアイテム「ジンバル」についても詳しくまとめていますので、そちらもご覧ください。
コメントを残す