軽量でコンパクトながら、上位機種X-T3の性能を多く受け継ぎ、”ミニXT-3“とも呼ばれる高性能なFUJIFILM X-T30。
コスパ抜群で、これらか写真を始める方にはもちろん、X-T20や他のメーカーから買い替えをする方にも十分満足できるカメラで、写真を思う存分楽しませてくれるでしょう。
とーます君
写真の楽しさを味わうためにはレンズキットやズームレンズではなく、単焦点レンズの購入がオススメです。
X-T30と使用する最初の1本であれば、その中でも標準の単焦点レンズの XF 23mm F2 R WR (35mm換算で35mm)か XF 35mm F2 R WR (35mm換算で53mm)のどちらかにしましょう。
35mm換算(参照:焦点距離, 35mm換算とは?) で35mmと53mmとどちらも標準の焦点距離です。
iPhoneやGalaxyなどスマホのデフォルトの焦点距離は約26~28mmと少し広角です。
もしその画角に近い感じで撮りたいのであれば、XF 23mm F2 R WRを。もっと狭い画角(iPhoneのポートレートモードの画角)がいいのであれば XF 35mm F2 R WRがオススメです。
ここからはその他のオススメレンズやレンズキットを紹介していきます。
その後、前機種のX-T20からどう進化したのか、またX-T3とどう違うのか比較し詳しく解説します。
- X-T30と一緒に買うべきおすすめのレンズ
- オススメのレンズキット
- X-T30とは
- X-T20との違い
- X-T3との違い
目次
X-T30:オススメレンズ (シーン別)
先ほどもお伝えした通りFujifilmのレンズラインナップはかなり豊富です。
また、Fujifilmは映画用のレンズも生産し世界中から高い評価を受けており、レンズのクオリティはトップクラスです。
その中でも今回は、X-T30と一緒に買うべきオススメレンズをシーンや目的別にご紹介します。
X-T30 レンズ:普段使い / 街撮り / 旅行用
まず普段使いなどにオススメの標準の単焦点レンズです。
特に撮りたい被写体が決まっていない場合や、普段から使ったり、旅行に持って行ったりするのに使い勝手のいいレンズを紹介します。
これは冒頭でも紹介した通り、XF 23mm F2 R WR か XF 35mm F2 R WR がオススメです。
この二つのレンズはどちらもシルバー用も用意されています。
ズームレンズも選択肢として考えていらっしゃる方も多いかとは思いますが、Fujifilmユーザーで写真家の保井崇志さん(@_tuck4)は写真を始めてから最近まで単焦点レンズしか使ってこなかったそうです。
それほど単焦点レンズが魅力的で、保井さんも「”縛りのなかで切り取る”感覚が気持ちいい」とRECOの記事でおっしゃられています。
写真家の矢野拓実さん(@takumiYANO_)も単焦点レンズをメインに作品撮りをされているようです。
保井さん( @_tuck4 )のFUJIFILMのレンズ解説…!
XF16mm欲しくなるなあ。矢野が海外で作品撮る際は、
FUJIFILM X-T2
XF14mmF2.8 R(①ロンドン)
XF23mmF1.4 R(②クロアチア・ドブロブニク)
XF35mmF1.4 R(③パリにて友人を。)
この3点をメインに使ってます。https://t.co/eJXH9ae1xn pic.twitter.com/tWgWsfxHYx— takumi YANO/矢野 拓実 (@takumiYANO_) December 28, 2017
ステップアップを考えている方 / 予算のある方
紹介したお二人のようにX-T3などのハイエンド機を使用している人、もしくはX-T30から後々X-T3などにステップアップを考えているのであれば、同じ23mm・35mmでもF1.4かつ性能も優れている、XF23mm F1.4 R や XF35mm F1.4 R も選択肢になるでしょう。
FUJIFILMの神レンズ「XF35mmF1.4R」
もう6年くらいハードに使ってるけど、いまだに第一選択のレンズです。キズとかも無性に愛おしい。同じこと思ってる人いっぱいいるはず。 pic.twitter.com/lgdhYyfeNb— 保井崇志 (@_tuck4) May 14, 2019
X-T30 レンズ : ポートレート (中望遠)
ポートレートはよく85mmのレンズが王道と言われています。
こちらのXF50mm F2 R WRは35mm換算で75mmの中望遠の単焦点レンズになります。
ステップアップを考えている方 / 予算のある方
もう少し望遠によった性能の高いF1.2のXF56mmF1.2 R(35mm換算で約85mm)があります。
保井さんも85mmは特に使用する焦点距離で、ポートレートのみならず風景にも多用していらっしゃいます。
FUJIFILMのXF56mm。中望遠のギッシリ詰まった感の写真が気に入ってます。良いレンズ。 #xf56mmf12rapd pic.twitter.com/4yfMwAcEGF
— 保井崇志 (@_tuck4) January 15, 2016
これは企業秘密ですが、ポートレート撮影では「ブラックミスト No.1」というフィルターを使っています。レンズは「XF35mmF1.4R」「XF56mmF1.2R APD」の2本で、ボディはFUJIFILM「X-H1」。https://t.co/h4YBw5IwdT pic.twitter.com/9v2yQ2K99z
— 保井崇志 (@_tuck4) October 2, 2018
ちなみに「ブラックミスト No.1」というフィルターは、ハイライトとシャドーのコントラストを弱め、ソフト効果を作ることができます。
XF35mmF1.4 Rにブラックミストつけるの最強感ある。夜の撮影が楽しすぎます。まだ品切れしてるらしいけど…。 pic.twitter.com/Ok4eyT1tgx
— 保井崇志 (@_tuck4) November 26, 2018
価格もそれほど高いものではないので、興味のある方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
これまでに紹介したレンズのフィルター径はこちらをご参照ください。
- XF 23mm F1.4 R : 62mm
- XF 35mm F1.4 R : 52mm
- XF 50mm F2 R WR:62mm
残念ながらXF23mmF2 R WRとXF35mmF2 R WRのフィルター径は43mm、XF50mm F2 R WRは46mmと対応するものがありません。(49mmのサイズから販売)
X-T30 レンズ : 自然風景 (広角)
自然風景はやはり広角のレンズが欲しくなるところです。
XF10-24mmF4 R OISは35mm換算で15-36mmの広角ズームレンズと風景撮影に最適なレンズです。
風景では基本的にF値を絞って撮影するので、暗いレンズでも問題ありません。
しかし、星も撮影したいという場合にはF2.8以下の明るいレンズが必要になります。
その場合は、最近発売されたリーズナブルなF2.8の広角単焦点レンズ XF16mmF2.8 R WR (35mm換算で24mm)がオススメです。
ステップアップを考えている方 / 予算のある方
(もし予算があって) 基本的に風景写真を撮り、時々星も撮影するという方には、XF8-16mm F2.8 R LM WR(換算で12-24mm)がいいでしょう。
もちろん誰しもがここまで予算があるわけではないと思うので、利便性は若干下がりますが「単焦点でもいいからとにかく明るい広角レンズが欲しい」という方にはこちらのXF16mmF1.4 R WRです。
F1.4という明るさなので簡単に綺麗な星空の写真が撮れます。
別のメーカーですが、僕自身20mmでF1.4のレンズ1本で、風景や星など様々な被写体を撮影してきましたので、個人的には単焦点レンズでも全然問題ありません。

もちろん風景のみならず、様々なシーンでできるので広角のレンズは1本欲しいところです。
広角レンズっていまだに「こんなふうに見えるのか!」ってなるな。 pic.twitter.com/ohFRxSsXna
— 保井崇志 (@_tuck4) March 8, 2019
広角レンズをまとめると、以下の通りになります。
- XF8-16mm F2.8 R LM WR (超広角 / 少し暗い / 約20万)
- XF10-24mmF4 R OIS (超広角 / 暗い / 約9万円)
- XF16mmF1.4 R WR (広角 / 明るい / 約11万円)
- XF16mmF2.8 R WR (広角 / 少し暗い / 約5万円)
焦点距離(ズームor単焦点)や、明るさは使用方法(被写体)によって異なってきます。
もちろん風景のみならず、
どういったものを撮影するか、またどのくらいの予算をあてられるか考えつつ一番合ったものを選びましょう。
なお、レンズ名称のアルファベットの意味は以下の通りです。
・R:Ring (絞りリング)
・LM:Linear Motor (リニアモーター)
・OIS:Optical Image Stabilizer (光学式手ブレ補正機構)
・WR:Weather Resistant (防塵・防滴)
まずは標準の23mmか35mmの単焦点レンズを。56mm前後の中望遠レンズ、16mm前後の広角レンズも持っていると幅が広がります。
Fujifilm X-T30:レンズキット
レンズキットは2種類あります。
X-T30とXF18-55mmF2.8-4 R LM OISのキットと、X-T30とXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZのキットです。
レンズキット : X-T30 + XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS
XF18-55mmF2.8-4 R LM OISは35mm換算で27mm-82.5mmのレンズです。
F値は一番明るい(ボケやすい)2.8から4まで焦点距離によって最小の値が変動します。
F4辺りになると少し暗い(ボケにくい)ですが、ズームレンズが欲しいのであれば、X-T30の標準ズームレンズとしては十分かもしれませんが、先ほども説明した通り単焦点レンズの方が写真が楽しくなるのでそちらがオススメです。
ステップアップを考えている方 / 予算のある方
X-T30と同じレンズをX-T3でも使用できるので、もし将来的にX-T3などの上位機種にステップアップを考えているのであれば、少し値段は上がりますがこちらのハイスペックのレンズもオススメです。
レンズキット : X-T30 +XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZは35mm換算で22.5mm~67.5mmと先ほどの標準ズームレンズよりも少し広角のレンズになります。
しかし、F値が一番明るくてもF3.5と、ボケのある写真を撮るには物足らないでしょう。
正直なところこのレンズキットはあまりオススメできません。
どうしてもズームレンズが必要なのであれば、XF18-55mmF2.8-4 R LM OISとのキットを。そうでなければ単焦点レンズをボディと別に購入しましょう。
価格:Fujifilm X-T30
ここでボディ単体の価格を見てみましょう。
約10万円と性能の割に価格がかなりリーズナブルになっています。
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Fujifilm X-T30 とは
ここからFujifilm X-T30の性能の詳細を説明していきます。
Fujifilm X-T30は2019年3月20に発売されたAPS-Cミラーレスカメラです。
X-T30は2019年2月に発売されたX-T20の後継機で、外観やサイズなどはほとんど変わらないものの、X-T20から性能面ではるかに進化しています。
また、2018年9月に発売された上位機種X-T3と同クラスのスペックを多く備えています。

Official Fujifilm X-T30 sample images by Bryan Minear
- 2019年3月20日発売
- Fujifilm Xマウント
- APS-Cミラーレスカメラ
- エントリークラス向け
- X-T20 (2017年2月発売)の後継機
比較:X-T30 vs X-T3 vs X-T20
外観比較:X-T30 vs X-T3
Apotelyt.comでのX-T30とX-T3の比較画像を引用して、ここでご紹介します。
X-T3と比較して、一回りコンパクトになっているようですね。
重さもX-T3と比べて約150gも軽いことがわかります。
外観比較:X-T30 vs X-T20
X-T30とX-T20のサイズの違いは、奥行きがX-T30の約47mmに対して、X-T20は41.4mmとわずかにコンパクトになっています。
外観の大きな変化は、背面ディスプレイの右側、親指周りのボタンです。
十字ボタンが無くなり、フォーカスレバー(8方向レバー)が装備されました。
慣れるのに時間がかかるかもしれませんが、より素早いフォーカシングが可能になるでしょう。
性能比較:X-T30 vs X-T3 vs X-T20
Fujifilm X-T30とX-T3, X-T20は性能面でどう違うのか、主要なスペックを抜粋し表にしてみました。
X-T30 | X-T3 | X-T20 | |
発売日 | 2019年3月 | 2018年9月 | 2017年2月 |
価格 | 約106,000円 | 約174,000円 | 約62,000円 |
イメージセンサー | APS-C (X-Trans CMOS 4) | APS-C (X-Trans CMOS 4) | APS-C (X-Trans CMOS III) |
有効画素数 | 約2610万画素 | 約2610万画素 | 約2430万画素 |
画像処理エンジン | X-Processor 4 | X-Processor 4 | X-Processor Pro |
ボディ内手振れ補正 | – | – | – |
ISO感度 | 160~12800 (拡張:80~51200) | 160~12800 (拡張:80~51200) | 200~12800 (拡張:100~51200) |
連続撮影枚数 | 約8コマ/秒 可逆圧縮RAW 18枚 非圧縮RAW 18枚 JPEG 90枚 | 約11コマ/秒 可逆圧縮RAW 42枚 非圧縮RAW 36枚 JPEG 145枚 | 約コ8マ/秒 可逆圧縮RAW 33枚 非圧縮RAW 27枚 JPEG 83枚 |
連続撮影枚数 (電子シャッター設定時) | 約30コマ/秒 可逆圧縮RAW 17枚 非圧縮RAW 17枚 JPEG 26枚 | 約30コマ/秒 可逆圧縮RAW 35枚 非圧縮RAW 33枚 JPEG 60枚 | 約14コマ/秒 可逆圧縮RAW 28枚 非圧縮RAW 25枚 JPEG 42枚 |
AF測距点(位相差) | 425点 | 425点 | 175点 |
顔検出 | ◯ | ◯ | ◯ |
瞳検出 | ◯ | ◯ | AF-S時 |
EVF | 0.39型 236万ドット | 0.5型 369万ドット | 0.39型 236万ドット |
液晶パネル | 104万ドット / 3.0型 | 104万ドット/ 3.0型 (3軸チルト) | 104万ドット / 3.0型 |
タッチパネル | ◯ | ◯ | ◯ |
動画記録方式 | MPEG-4 AVC / H.264 | MPEG-4 AVC / H.264 HEVC / H.265 | MPEG-4 AVC / H.264 |
4K /最大撮影時間 | 30p /10分 | 60p /30分 | 30p /10分 |
DCI (4,096 x2,160) | ◯ | ◯ | – |
FHD /最大撮影時間 | 60p /15分 | 60p /30分 | 60p /15分 |
ハイスピード | 120p | 120p | – |
外部出力 | 4K 30p (4:2:2 10bit) | 4K 60p (4:2:2 10bit) | 4K 30p |
Log撮影 | ◯ | ◯ | – |
ETERNA (フィルムシミュレーション) | ◯ | ◯ | – |
SDカード / スロット | UHS-I / 1スロット | UHS-II / 2スロット | UHS-I / 1スロット |
WiFi / Bluetooth | ◯ / ◯ | ◯ / ◯ | ◯ / – |
USB 充電 / 給電 | ◯ / ◯ | ◯ / ◯ | ◯ / ◯ |
撮影可能枚数 | 約380枚 | 約390枚 | 約350枚 |
防塵防滴 | – | ◯ | – |
サイズ | 118.4 x 82.8 x46.8mm | 132.5 x 92.8 x 58.8mm | 118.4 x 82.8 x 41.4mm |
総重量 | 383g | 539g | 383g |
比較してみるとX-T20よりもかなり進化していることがわかりますね。
それと同時にX-T30の約半年前に発売された上位機種のX-T3の性能の多くをX-T30も備えています。
例えば、イメージセンサーや画像処理エンジンはX-T3と同じですし、動画面でもX-T3同様Log撮影が可能となっています。
AFはX-T20よりも大幅な機能UPを果たしました。
“顔検出“と”瞳AF“は以下の動画(1:15~)を見てもわかる通り、追従速度はかなり速く、横を向いた際にもしっかり追従しています。
瞳AFで最先端を走っているSonyにも劣らない印象です。
また、”顔セレクト“という機能で、複数の被写体の中から優先してフォーカスをしたい顔をタッチすると、フォーカスをし続けることができます。
運動会などのイベントで自分の子供にフォーカスをしたいときに便利です。
また、Fujifilmの一つの大きな特徴であるフィルムシミュレーション。
そのフィルムシミュレーションの中でも、映画のような色合いを表現できる”ETERNA“を使用できます。
この価格にしてX-T3と同様の性能を兼ね備えているなんてお得過ぎますね。
- 軽量コンパクト
- XT-3と同じ約2600万画素のイメージセンサーと画像処理エンジン
- 従来機よりも優れた高速&高性能AF
- DCI4K30pに対応
- 4:2:2 10bit外部出力や4:2:0 8bit内部記録に対応
- フィルムシミュレーション ETERNA(エテルナ)実装
もちろん、X-T3より劣る部分はあります。
連写速度、動画、防塵防滴といった性能の面ではX-T3の方が優れています。
逆に言えば、そこまで連写する必要はない、動画もある程度撮れれば十分(X-T3の動画性能を最大限生かそうとするとPCなどの機器のスペックもそれなりに必要になります)、雨風などの厳しい環境下で撮影はない、というのであればX-T30で十分でしょう。
- これからカメラの購入を考えている人
- ETERNAなどのフィルシミュレーションを使いたい人
- Fujifilmの色が好きな人
- 連写機能や厳しい環境下で使用する予定がない人
まとめ
今回は2019年3月に発売されたばかりのFujifilm X-T30とオススメのレンズをご紹介しました。
価格もこれからカメラを始める方に手の届きやすい価格ですし、レンズも豊富にラインナップされているので安心です。
Fujifilmのおしゃれデザインの外観や、フィルムメーカーとして培ってきた写真の色などが特徴なので、写真が楽しくなること間違いなしです。
どのレンズやレンズキットを買うか迷っている方には、XF 23mm F2 R WR かXF 35mm F2 R WRがオススメです。
他にもオススメのミラーレスカメラを紹介しているので、こちらもぜひご覧ください。

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