夜の世界はシャッターチャンスにあふれています。
夜景、ライトアップされた建物、イルミネーションで装飾された街並み、星空…
そういった写真映えする景色がある一方で、夜の撮影は、写真にとって重要な「光」が少なく難しいという問題があります。
PhotoshopやLightroomがあれば後から「露出度」で明るさを調整することもできますが、調整幅が大きいと画質が劣化したりノイズが出たりして仕上がりがいまいちになってしまうでしょう。
フラッシュを使う手段もありますが、フラッシュが届く範囲や使える状況も限られていますし、使いこなすにはかなりの技術が必要となり、適当にフラッシュを使うと不自然な写りになってしまいます。
では、どうすれば夜の撮影をうまく行うことができるか?
これより、夜景撮影をうまく行うための基本的な知識とカメラだからこそ撮れるテクニックをご紹介します。
夜景を撮る際は、シャッタースピードを遅くせよ
暗い場所での撮影において、シャッタースピードを遅くするのは基本です。
シャッタースピードとは、カメラのシャッターが開いてから閉じるまでの時間の長さを表しています。
「1/15(秒)」や「1/200(秒)」などと書かれているものです。
シャッタースピードが遅ければ、シャッターが開いている時間が長くなりその分たくさんの光を取り込むことができます。
なので夜景撮影においてはシャッタースピードを遅くする必要があるのです。
しかし、シャッタースピードを遅くする際には注意しなければいけないポイントがあります。
それはシャッタースピードを遅くすればするほどにブレが発生しやすくなるということです。
例えばシャッタースピードを15秒に設定すると、15秒間シャッターが開放されたままになるため、その間にカメラが動いてしまうと、写真がブレてしまいます。
レンズにもよりますが、人が手持ちで撮影してブレずに撮れる限界のシャッタースピードは「1/焦点距離」と言われています。
35mmの焦点距離のレンズを使用していれば、目安として「1/35(秒)」までは手持ちで撮影できるということです。
夜景を撮影する際はシャッタースピードを長くして撮ることが多くなるので、必ず三脚を持ち歩くようにしましょう。
手持ちで撮るよりも格段にブレにくくなります。
夜景撮影の際には、シャッタースピードを遅くして多くの光を取り込んで撮影しよう。
ただし、シャッタースピードを遅くするとどうしても手ブレが発生してしまうので三脚が必須アイテム
夜景撮影では、ISO感度を上げよ
三脚がない方や、手持ちで撮りたい方は、ISO感度を上げるようにしましょう。
ISO感度は、デジタルカメラが光をとらえる能力を数値で表したものです。
ISO感度を上手く使えば、シャッタースピードを速くしたままでも被写体を明るく撮影できるため、手ブレや被写体ブレを防ぐことができます。
ところが、ISO感度を上げると写真にノイズ(ザラつき)が発生しやすくなるため、必要以上に上げ過ぎないようにしましょう。
シャッタースピードで対応できない場合には、ISO感度をあげて対応する
ただし、上げすぎると写真にノイズが発生しやすくなるので上げ過ぎには注意
夜景撮影では、光跡を作れ
ここまでは機能的な調整について紹介しました。
次はいよいよ本格的なテクニックです。
光跡とは、光の軌跡を線状に残したものです。
撮り方は簡単で、シャッタースピードを遅くした状態で、三脚にカメラを設置してシャッターボタンを押すだけです。
光跡の長さや取り込む光の量などは、シャッタースピードの時間で調節できます。
人間の目で見ることのできない景色を映し出せるのも、1つの写真の良さですね。
夜景撮影において、光跡を作ると写真ならではの景色が撮れるのでおすすめ
夜景撮影では、玉ボケを作れ
玉ボケも上級テクニックの1つです。
玉ボケは光源(電球や街灯などの光)にピントを合わせずに背景などとしてボカすことで撮影できます。
近くの被写体にピントを合わせた状態で、遠くに光源があれば玉ボケになりますのでぜひ試してみてください。
ファインダーを覗き込みながらピントリングを回し、光の円形や明るさ・色味などが一番美しいタイミングでシャッターを押してみましょう。
この時レンズをMF(マニュアルフォーカス)に設定すると玉ボケがどのように変化するかよくわかるので1度試してみてください。
玉ボケを作る際の合言葉は、近くに被写体、遠くに点光源。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
夜景の撮影は、光が少ないだけに、日中よりも撮影の手間がどうしてもかかります。
その反面、光跡や色あざやかな丸ボケなど、スマホなどでは撮影できない、カメラと夜景の組み合わせでしか表現できない美しさもあります。
また暗い環境下の撮影では色々と設定を変えながら試行錯誤するので、初心者の方にとってはカメラの技術を習得するいい機会になったりもします。
皆さんもぜひ、今回紹介したテクニックを活かして夜景撮影を楽しんでみてください。
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