Canonからフルサイズミラーレスカメラの第2弾、”EOS RP“が発売されました。
目次
フルサイズミラーレスカメラ Canon EOS RP
2018年10月に発売されたEOS Rよりも、さらにエントリー向けなこのカメラはフルサイズながら小型・軽量化を実現。
フルサイズのイメージセンサーを搭載しつつ、約16万円ということで、ハイアマチュアやプロが使うフルサイズへの”壁“というものがとても低くなった印象です。
一眼レフからミラーレス化へと進む流れの中で、新たなエントリー機としてのポジションを獲得できるのか気になるところですね。
Sonyのa7IIIが世界中で売れている今、その勢いを止めるために「フルサイズ x 低価格」で発売されるこのEOS RP。
価格で勝負するとなれば、性能もそれなりに必要ですが、それほどのスペックを備えているのでしょうか。
また、果たしてフルサイズのカメラは必要なのか。
APS-Cセンサーのカメラで撮った写真でもスマホで見るには十分の画質があります。
実際にFujifilmのAPS-Cサイズのミラーレスカメラ X-T3はプロも使うほどの画質と性能を持っています。
今回は、Canonのフルサイズミラーレスカメラが本当にオススメか、Canonが紹介している特徴をもとに検証しつつ、EOS Rとの比較もしていきます。
EOS RPの7つの特徴
Canon EOS RPのHPで掲載されているEOS RPの特徴について簡単にまとめていきます。(HPよりスクショで抜粋して紹介しています。詳しくは公式ページをご覧ください。)
フルサイズながら小型で軽量
重さは約485gと、フルサイズのミラーレスカメラとしてはかなり軽量化されています。
サイズもエントリークラスのAPS-Cサイズの一眼レフよりもコンパクトになっているようです。
Apotelyt.comではa7IIIとの大きさ、重さの比較がされていました。
横幅はSonyのa7IIIの方が小さいいようですが、縦幅や重量ではEOS RPの方がコンパクトで軽量のようです。
厚みでもわずかにEOS RPの方が薄いようです。
しかし、小さ過ぎてもグリップ部分が握りにくかったりするので、一概に小さいのいいという訳ではないように思います。
それを見計らってか、発売キャンペーンとして、EOS RPの購入者にエクステンショングリップの無料で手に入れることができます。
小型化を目指しつつ、これをプレゼントとして用意するというのがなんとも矛盾なような気もしますが、、
あと、個人的にエクステンショングリップのデザインがめちゃくちゃダサい、、
EOS RPの特設サイトでは女性向けのふんわりとした印象で、手の大きさからして女性にとってはエクステンショングリップは必要ないかもしれません。
しかし男性からするとおそらく小指がはみ出るため、エクステンショングリップが必要になると思いますが、このデザインならそこまでコンパクトにしないでと言いたくなります。。
画質
公式ページでもそれほど推している特徴ではないように、おそらくフルサイズだということを優先して価格を抑えるために画質も抑えているのでしょう。
画質にこだわりたい方はワンランク上のEOS R。
風景やポートレートなどでさらに高画質なカメラということであれば、Sonyのa7RIIIやNikonのZ7などのカメラになります。
高画質(イメージセンサーの性能)は価格を大きく影響するので、画質がいいカメラは必然的に高くなります。
オートフォーカス
オートフォーカスのスピードは0.05秒とEOS R同様素晴らしいですね。
ただ、この測定は RF 24-105mm F4 L IS USMを使用した時のものです。
EOS RPを購入する人はカメラの値段に近い価格のレンズを購入するのはなかなかハードルが高いと思います。
マウントアダプターとのキット販売があるように、マウントアダプターを使ってEFマウント(一眼レフ用マウント)のレンズを装着することになると思いますが、その時のオートフォーカスのスピードはRFマウントのものほど速くはならないでしょう。
オートフォーカスのスピードを気にされる方は実際にマウントアダプターを装着して試して撮影してみることをオススメします。
かんたん操作
タップパネルが搭載されており、直感的に操作することができます。
また、エントリー機によくあるように、モニターはセルフィーが簡単にできるように自由に動かすことができます。
よく自撮りをするという方にはありがたい機能かもしれませんね。
手ぶれ補正 / フォーカスブラケット
残念ながら、EOS RPはボディ内手ぶれ補正は備えていません。
このクラスのカメラでは仕方がないものですが、レンズの手ぶれ補正でも十分に効果は見込めるでしょう。
また、このカメラはフォーカスブラケット(深度合成)をすることができます。
深度合成とは、カメラが自動的にピント位置を変えながら複数枚撮影することで手前から奥までピントの合った写真を撮ることができます。(三脚などで固定する必要があります)
せっかくカメラを買ったのでピントを1点に絞ったボカした写真を撮りたい方や、手持ちで気軽に撮影する人が大多数だと思います。
なので、この機能を使う人はあまりいないとは思いますが、風景写真で三脚を使って撮影する時などピントを手前から奥まで合わせたい時にはオススメです。
動画機能
EOS RP 最大の残念なポイントは動画性能です。
4K/25fps, 23.98fps
FullHD/59.94fps, 50fps, 29.97fps, 25fps
4K60fpsやFullHD24fpsに対応しておらず、FullHD/120fpsのスローモション撮影もサポートされていません。
動画撮影時のAFですが、フルHDの時はデュアルピクセルCMOS AFが機能しますが、4K撮影ではコントラストAFになります。
また、EF-Sレンズを使用した場合には、フルHDの撮影はできません。
この辺りは動画を主に撮影する方からすればピンとくると思いますが、EOS RPは動画にはあまり向いておらず、静止画向けです。
動画をメインに撮りたい方はSonyのa6400やa6500,またはa7SIIやa7IIIなどのミラーレスカメラがオススメです。

APS-Cサイズ▼
フルサイズ▼
スマホ・PCとの連携
最近のカメラではほぼ当たり前となった、カメラからスマホやPCへの転送も簡単に行う事ができます。
比較:EOS R vs EOS RP
EOS RとEOS RPではスペックでは何が違うのか主な機能をピックアップして比較してみました。
EOS R | EOS RP | |
価格 | 約237,500円 | 約160,000円 |
イメージセンサー | 約36.0×24.0mm (35mmフルサイズ) | 約35.9×24.0mm (35mmフルサイズ) |
有効画素数 | 約3030万画素 | 約2620万画素 |
映像エンジン | DIGIC 8 | DIGIC 8 |
ボディ内手ぶれ補正 | なし | なし |
ISO感度 | ISO100~40000 (拡張: ISO50~102400) | ISO100~40000 (拡張: ISO50~102400) |
シャッター速度 | 1/8000~30秒 | 1/4000~30秒 |
連続撮影速度 | 最高約8.0コマ/秒 | 最高約5.0コマ/秒 |
AF測距点 | 最大5655ポジション | 最大4779ポジション |
動画 | 4K30p | 4K24p(コントラストAF) |
EVF | 0.5型 / 365万ドット | 0.39型 / 236万ドット |
液晶パネル | 3.15型 / 約210万ドット | 3.0型 / 約104万ドット |
SDカード | SD/SDHC/SDXC(UHS-Ⅱ,UHS-I対応) | SD/SDHC/SDXC(UHS-Ⅱ,UHS-I対応) |
スロット数 | 1 | 1 |
撮影可能枚数(ファインダー) | 約350枚 | 約210枚 |
撮影可能枚数(ライブビュー) | 約370枚 | 約250枚 |
サイズ | 135.8 x 98.3 x 84.4 mm | 132.5 x 85.0 x 70.0 mm |
質量(本体のみ) | 約580g | 約440g |
ぱっと比較したところ、やはり価格と小型化によって性能という部分でもかなり低くなっているようですね。
価格や、サイズ、重さではEOS Rよりも優れていますが、連続撮影速度が1秒間に5コマであることや、撮影可能枚数もかなり少なくなっています。
先ほども言った通り、EOS RPに動画の性能はあまり期待できないので、動画もある程度撮りたいということであればEOS Rが無難でしょう。
レンズラインナップ
発売中のRFレンズ
現在RFマウントのレンズは以下の4本が発売中です。
どれも高く、EOS RPと一緒になかなか購入しづらいと思います。
先ほども説明した通りこちらのマウントアダプターを使用すれば、Canonの一眼レフ用マウントのEFレンズを使用する事ができるので、選択肢の1つになるでしょう。
今後のRFレンズ
先日2019年に発売予定のRFマウントレンズの開発発表がありました。
大三元と呼ばれるF2.8の広角、標準、望遠ズームレンズ。
RF15-35mm F2.8 L IS USM、RF24-70mm F2.8 L IS USM、RF70-200mm F2.8 L IS USM。
それからF1.2の85mmの中望遠単焦点レンズ、RF85mm F1.2 L USM、RF85mm F1.2 L USM DS。
そして、最後の1本がEOS RPに適しているレンズ、RF24-240mm F4-6.3mm IS USM。
小型・軽量設計の高倍率ズームレンズです。
現在のラインナップの4本と2019年に発売予定の6本のほとんどがプロ向けのレンズです。
正直なところ、EOS RやEOS RPのレンズの選択肢はかなり少ないというのが現状です。
もう少しレンズが充実するのを待つのも選択肢のひとつでしょう。
価格 / キット
ボディ単体
まずボディ単体の価格ですが、約16万円となっています。
RF35 MACRO IS STM レンズキット
1つ目のキットはRF35mm F1.8 MACRO IS STMとのキットです。
RF35mm F1.8 MACRO IS STMの単体の価格は約6万円なのでキットになることで、約1万円ほど安くなる感じでしょうか。
マウントアダプターキット
2つ目はコントロールリング マウントアダプター とのキットです。
このマウントアダプターがあればCanonの一眼レフ用のレンズを使用する事ができます。
また、このコントロールリングには絞りやシャッタースピードなどの設定を割り当てることができ、カメラのダイヤルではなく、このリングによって設定を調整する事ができます。
こちらもアダプターの単体の価格は2万5千円ほどですので、キットで購入する事で約1万円ほど安くなります。
ちなみにコントールリングが搭載されていないノーマルタイプのマウントアダプターはコントールリング搭載のものに比べ約半分の価格です。
コントールリングは使い方によってはかなり重宝するので、マウントアダプターで一眼レフ用のEFマウントレンズを使用するのであればこのキットがオススメです。
RF35 MACRO IS STM マウントアダプターキット
3つ目はRF35mm F1.8 MACRO IS STMコとントロールリング マウントアダプター とのキットです。
この2つ目と3つ目のマウントアダプターとのキットは合計7,000台の限定キットです。
また、数量限定でゴールドモデルも発売されます。
こちらは、2つのキットが発売される予定です。
マウントアダプターSPキット
1つ目はコントロールリング マウントアダプター とエクステンショングリップ EG-E1とのキットです。
RF35 MACRO IS STM マウントアダプターSPキット
2つ目はRF35mm F1.8 MACRO IS STM、コントロールリング マウントアダプター、エクステンショングリップ EG-E1のセットになります。
Canonの一眼レフ用のレンズをお持ちであれば、マウントアダプターが含まれるキットがオススメです。
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まとめ
EOSからエントリー向けのフルサイズのミラーレスカメラが発表されました。
フルサイズのカメラがこの値段ということは衝撃的ですが、蓋を開けてみると少々残念なような、、。
撮った写真をスマホで見る分にはそこまでフルサイズであることをこだわる必要はありません。
フルサイズはもちろんいい点も多々ありますが、それはイメージセンサー以外の部分のそのカメラの性能があってこそで、フルサイズであるだけでいい写真が撮れるわけではありません。
EOS RPはそのカメラ自体の性能があまりにも低過ぎるように思います。
フルサイズであることで高くなるのであれば、同じ値段でAPS-Cカメラの性能が高いものに充てる方がクオリティの高い写真や動画が撮れるでしょう。
また、レンズのラインナップもまだまだエントリー向けのものはないので、Canonのフルサイズのミラーレスカメラがどうしても欲しいというようでないのであれば、他のメーカーでレンズが充実しているカメラを買うことを勧めます。
こちらではEOS RPと同等、もしくは少し高い値段のオススメのミラーレスカメラを紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。

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